ひとり旅、pm2.5

晴れているのに青空が見えない。霧でも靄でもないのに遠くが霞む。サパ→ラオカイ →ハノイへ向かうバスの中で何か変だぞと思ってましたが、これが噂のpm2.5なんだと得心しました。高知で言えば年に何度か見られる強い春霞のような状態です。黄砂とpm2.5が一緒にやってくるのでしょうけれど、

高知はChinaから遠いし四国山地でガードされているのでpm2.5の影響はないとしたものですが、日本海の晴れ渡った空には一定の高さに汚れた空気層が挟まれていることがあります。福岡のスモッグはまず間違いなく大陸の影響を受けているとしたものでしょう。

台湾の西海岸、高雄に向かう飛行機から汚れた霞のうえに高層ビルが顔を出しているのを見て土地の人に「これは大陸から来たpm2.5の影響か」と問うたら「台湾自身の排ガスの影響が多い」とのことでした。しかしフツーに考えてあの距離だと関係がないとは言えないでしょうね。

台湾には5つの山脈がありニイタカヤマノボレで有名な最高峰玉山は3952mもあります。台湾の花連市に住む人が「山の壁で遮られた東海岸の空はきれいですよ」と笑っていました。

上海を旅行した友人によると日本のメディアで伝えられるほど深刻な表現はしませんでしたが「向かいのビルが霞んでいた」そうではあります。ただちに健康上の影響はないにせよ(どこかで聞いた文句^^;)開放経済後にせっせと働いて得た対価が自宅に高性能空気清浄機を取り付けることであったらChineseの幸せって何でしょうね。

ぼくが学生のころ新幹線で川崎市あたりまで行くと東京の上空に汚れたクラゲが漂っていました。光化学スモッグという言葉が作られた時代でアルバイトで新聞配達をしていると目がチカチカすることもありました。

やがて自然保護が声高に叫ばれ環境技術の進展もあって日本の空はきれいになりました。工場地帯の「七色の虹」は戦前の話だし、石原慎太郎が自分の手柄にしたきらいがあるディーゼル車の排ガス処理は技術者の勝利です。

むかしバンコクへ降りたとき、これがたまるかさっさと逃げようと思ったくらい街の空気は汚れていました。が昨年来ぼくが歩いたタイ、ラオスベトナムに限って言えばバスやダンプがイカの墨を吐きまくる風景はなかったです。

pm2.5は漢字で言えば靄のような汚染物質なのではないか、粒子が微小だから布のマスクで防げるとは思えませんが、そこは人情、鼻と口を覆えば安心感が得られることからか、ハノイの道には、黒ありピンクあり花柄あり色とりどりのマスクがバイクとともに流れて行きます。pm2.5が生んだ新文化かもしれません。


191023


写真はラオカイ からハノイへ向かうバスの窓から
pm2.5を絵に撮るのは難しいです
霞む遠景からご想像ください

 

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