ひとり旅、棚田

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標高1500mのサパから中国国境の街ラオカイ に向けて公共バスに揺られ一気に下ると途中の山肌に延々と見事な横縞が描かれていました。山の斜面に棚田を作れば微かな膨らみにノコギリの歯が刻まれるわけで、金星の横縞を密にするか、土星の輪っかを取り外せば譬えになるだろうかと空想しながら無茶苦茶な運転に耐えました。

「耕して天に至る」という慣用的な表現があります。しかしよく見ると縞模様は途中で途切れ、頭に黒髪を載せています。木々の根が水を蓄え天水桶の役割を果たしているからでしょう。

高知にも棚田はあるし愛媛の海岸沿いには見事な段々畑もありますが、さすがにこれは規模が違うと恐れ入りました。中国雲南省に隣接する地域の山の民は、国境という人為的な線とは関係なく何世代にもわたって山の縞模様を広げて行ったのでしょう。

残念ながら稲刈りは終わっており稔った稲穂が作る金の波は見えなかったです。ご関心のむきはネットで検索するか、頭の中でドローンを揚げて撮影してください。農家の倅の思い入れを申せば刈り取るのがもったいないほど美しい風景が映るはずです。


191021 

 

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